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International New Yearが終わり、中華正月が近づいています(カンボジアには左記に加え、4月にクメール正月があります)。

今日も日中でも30度くらいと一番過ごしやすい時期です(去年より少し暑い気がしますが。。。)。従業員もカーディガンを着たりして出社してきます。

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今日は、ご質問を頂くことの多い、「残存有給(年次有給休暇)の買取り」について少しお話しさせて頂きます。

この点について労働法167条は、

有給休暇を使用する権利を取得する以前に労働契約が終了又は満了した場合、当該労働者には、第166条に基いて算出される金額の保証金が支払われる(第2項)、

前項にかかわらず、年次有給休暇を放棄又は免除するという内容の合意及び有給休暇の大小として保証を行うという内容の労働協約は、全て無効とする(第3項)

と規定しています。

即ち、使用者(会社)は、労働契約終了時には、残存有給を保証金を支払って買い取らなければならず(第2項)、他方、労働契約期間中にこれを買い取った場合、その買取りに関する合意は全て無効となります(第3条)。

この点について、労働期間中の有給買取りに関する合意の有効性について触れた仲裁裁定がありますが、同裁定は、一方当事者が無効を主張していないため、仲裁委員会はこの点について判断しないとしています。

このような裁定によれば、労働期間中の有給買取りは両当事者が何も主張しない場合には問題にはなりません。しかし、労働者との関係がこじれて、買取りを無効と主張された途端に使用者はリスクを負う可能性があります。

また、労働法167条違反は罰金の対象となっています(労働法363条)。
この点、167条3項が規定する残存有給買取りが363条の罰金の対象になるのかは文言上明らかではありませんが、コンプライアンス遵守に関するリスク管理の観点からも、残存有給の買取りには謙抑的な立場を取るべきかと考えます。

色々な書き物が終わり、一連の大型連休も終わって少し余裕ができましたので、会社として色んな企画を考えています。

その一つとして、労働仲裁裁定のデータベースを作成しようと思っています。

今日は一回目として、2015年15号 W&D (Cambodia)事件をお届けします。

 

■労働者側の請求(の一部)

1.無期労働契約を半年又は1年の有期雇用契約に変更せよ(争点1)

2.出産休暇期間中の手当を出産休暇取得前に支払え(争点6)
 

■労働仲裁委員会の判断

1.労働者側の請求を棄却する

2.使用者は、出産休暇取得日の1日以上前に、該当する労働者に対して、出産休暇期間中の手当を支払え
 

■判断理由

・争点1について

(1) 前提知識

有期労働契約の場合、理由の如何を問わず、使用者は契約終了時に労働者に対して、退職金(これまでに支払った賃金等の合計額の5%相当額)を支払わなければなりません(労働法73条6項)。

他方、無期労働契約の場合にも、労働者は契約終了時に解雇補償金(最大6ヶ月分の賃金等相当額)を受け取ることができますが、労働者都合で辞めた場合、労働者の重大な企業秩序違反行為に基づく解雇の場合にはこれを受け取ることができません(労働法89条1項)。
ですので、「有期労働契約の方が有利だ」という労働者は少なくありませんし、最近では日本企業のお客様には、無期労働契約をお勧めすることも少なくありません。

また、本件において、労働者は、契約終了時に使用者が行わなければならない、「未使用有給の買取」を契約条件変更(有期→無期)の理由に挙げています。

労働法は、契約期間中の有給買取を禁じていますが(労働法167条3項)、逆に、契約終了時には、使用者に対して有給の買取義務を課しています(同条2項)。

(2) 判断理由

契約条件の変更には、原則として当事者双方の合意が必要であり、一方当事者の意思のみによってこれを変更ができない、という理由で契約内容を変更せよという請求は棄却されました。
*本件は前提事実が大事なので判断理由に紙幅を割かせて頂きました。

・争点6について

(1) 前提知識

これについても前提知識として、妊娠した女性労働者は、出産の前後に合計90日間の出産休暇を取得することができます(労働法182条1項)。

その上で、勤続1年以上の女性従業員は出産休暇期間中、通常の賃金等の50%相当額を手当として受け取ることができます(労働法183項1項)。

(2) 前提事実

本件使用者は、女性労働者が出産後、出生証明書を提出することを条件に上記手当を支払うという運用を行っていました。

(3) 判断理由

労働法及び労働省令は、上記手当の支払時期を規定していません。

そこで、「使用者は、出産期間取得の1日以上前に手当を支払え」との過去の裁定判断を引用し、上記本件使用者の運用は女性労働者の権利を害すると述べた上で、上記判断を導きました。

出産休暇期間中の手当の支払時期という比較的重要な内容かと思いますので、参考にして頂けると幸いです。

今プノンペンは31℃でちょうど過ごしやすい時期なので、
ちょっくら遊びに行ったり、ジョギングやゴルフをしたいところではあるのですが、
来週の神戸市さんのミッションの講師の準備、アブローダーズさんの講演の準備、カンボジア法の翻訳作業等々で(大変ありがたいことに!)忙しく、なかなか事務所以外のところに行くことができません。。。。

さて、今日は、カンボジア労働法における
労働時間、国民の休日・有給休暇について情報共有させて下さい。

・労働時間
カンボジアでは、法定労働時間の上限は48時間とされています。

法定労働時間外の労働は残業(Overtime Work)となるのですが、
残業代(Overtime Allowance)の計算方法が複雑です。

・国民の休日
カンボジアの2014年の国民の休日は27日でした(年によって違います。)。

日本の16日(振替休日除く)に比べてかなり多いですが、
カンボジアでは土曜日が全日又は半日勤務日のところも多いので、
そのような場合は必ずしも休みが多いとはいえません。

・有給休暇
年次有給休暇は年間で18日間認められています。
3年毎に1日ずつ日数が増加すること、
3年間、6日の有給持ち越しが認められていることなど、
残存有給の計算は非常に煩瑣です。

その他、詳しくは下記リンク先(NNAタイ版2014年12月11日付第11回連載)をご参考にされて下さい。

(カンボジア・ビジネス法講座 第11回 PDFファイル)