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ASEANへの進出法務、アジアでの不動産取引の法務サポートの仕事を行っている日本人弁護士が最新情報をお伝えします

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今日は、昨日行われた官民合同会議の内、労働省からの出席者によるワークパーミットに関する発言の概要を共有させて頂きます。

*内容は公式の議事録をご参照下さい。内容の正確性につきましては責任を負いかねます。

・オンライン申請

(現状)これまでは、ワークパーミットの申請の際に提出したパスポートを暫く返してもらえないということがあった。

しかし、9月末からはオンラインでのワークパーミット申請手続が開始され、そこにおいてはまず、パスポートのスキャンデータを労働省側に送付する、ワークパーミット受取時に原本との照合を行う予定であるとのこと。

・ワークパーミットの有効期間

(現状)これまではワークパーミットの有効期間は1年間と短いものだった(個別に労働省に申請した企業にはこれまでも特別に3年のワークパーミットを付与したケースもあったとのこと)。

しかし、来年度からは申請を行った企業については、有効期間3年で対応するとのこと。

(僭越ながら、)労働省の頑張りが際立ったといえる第12回の官民合同会議だったかと思います。

本日、第12回の官民合同会議(カンボジア側はソク・チェンダ大臣を初め、関係各省庁から出席者が出席、日本側は隈丸大使、大使館、商工会、JICA、JETROが出席)がCDC(カンボジア開発評議会)で開催されました。

その内、労働省からの出席者の最低賃金に関する発言の概要を共有させて頂きます。

*内容は公式の議事録をご参照下さい。内容の正確性につきましては責任を負いかねます。

・最低賃金決定手続の構築

昨年から、毎年7月に現状の分析→8月に国・使用者側・労働者側各二者間による会合を開催→9月に三者による会合を開催→10月に労働諮問員会の開催という流れができ、今後も上記手続によって翌年の最低賃金を決定していく予定

・最低賃金決定に関する方程式の確立

最低賃金を決定するに当たり、下記7つの要素を検討

 ・社会性に関する要素:家族の需要、インフレ率、日常の需要
 ・経済性に関する要素:生産性、競争力、雇用に対するインパクト、企業収益性

・ 昨年の検討方法

最低賃金額とは、労働者が家族を養うことができるだけの金額と定義付け。
そして、世界銀行の貧困ライン(1人が生きていくには最低60.5ドルが必要という基準)を元に、労働者1人で2人養うとして、月額121ドルを最低賃金算出の基礎に設定。
昨年は、上記基礎に上記7つの要素を考慮して、月額128ドルという金額を算出した。

今後は前年の最低賃金をベースに、上記7つの要素を検討して最低賃金を算出するので、これからは毎年10%・20%も賃金が上がることはないだろう、との趣旨の発言。

これに対して、ベトナムも12%位上がるだろう、ミャンマーもILOが介入し、最低賃金は120ドルくらいになるだろう、と述べ、カンボジアの競争力をアピール。

*巷では来年は170ドルだ180ドルだと言われていたため、驚きました。
でも、やっぱり蓋を開けてみたら、言われてたとおり170ドルや180ドルになるのかも知れませんが…

今日も午後3時頃から突然暗くなり始め、5分後には風が強まり、そして豪雨が降り、30分後には止んでいました。

年間27日もあるのに今月・来月はカンボジアには祝日がなく、職員も(僕達も)疲れが溜まってきた今日この頃です。

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今日はカンボジア民法における消費貸借契約について少し説明します。

日本では消費貸借契約の成立には目的物の交付(貸金の場合は貸主が借主にお金を渡すこと)が必要なのですが(所謂、「要物契約」)、カンボジア民法上、消費貸借契約は合意のみで成立します(民法579条)。

といっても、書面で契約しない場合、契約当事者は、目的物の交付がある部分を除いて、契約を撤回することができるということになっています(同法580条)。

日本民法における贈与契約に非常に似た内容になっています。

それともう一点、利息について説明します。

非常に重要なのは、利息契約は書面によってなされなければならず、かつ、そこに借主の署名がなければ効力を生じないことです(同法583条3項)。

当事者間で利息に関する合意があったとしても、それが口頭によるものに過ぎなかった場合は無効です(例外、同条4項)。

同様に、当事者が法定利息(同法318条)を超える利息で合意する場合、借主の署名がある書面によって、その利率に関する合意がなされなければなりません(同法584条3項、583条3項)。

次回は上記に関連して、カンボジアにおける利息制限について書いてみたいと思います。

今日はスカッと晴れて梅雨の晴れ間という感じです(現在気温、33℃)。
またいつ降り出すか分かりませんが。。

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カンボジアの人と取引をされた際に、「とりあえず正式な契約成立まで…」ということで、手付金なのか何なのか分からないお金を要求され支払ったところ、契約日にいきなり、「(これまで了承していた契約内容)その条件では契約できない」と言い出すため、支払ったお金の返金を要求するものの、当然のように返してもらえない
というお話しをしばしばお聞きします。

このようなケースのために弊所では、領収書、兼、渡したお金の趣旨を記載した書面を作成・ご準備されることをお勧めしています。

そのような書面を作成したところで、カンボジアでは裁判所の使い勝手が非常に悪いため、裁判所レベルでの有効性は薄いですが、交渉段階では効力を発揮するのではないでしょうか。

少し日本に帰っていたこともありかなり更新が滞ってしまいました。

7月末のカンボジアの天気はというと、今日は(今のところ)降らなかったものの、ほぼ毎日雨模様です。

個人的には毎日三色外食なので、少し変化がほしい今日この頃です。

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今回のテーマは、無期労働契約の終了(その1)です。

今回もまず、有期労働契約と無期労働契約の違いをおさらいします。
・契約終了時の支払い(有期の場合:退職金、無期の場合:解雇補償金)
・契約終了事由

1.契約終了時の支払い

無期労働契約終了時に支払われる金員は、労働契約がどのような理由で終了した場合であっても発生する有期労働契約と異なって、「解雇補償金」です。即ち、支払いが行われるのは、使用者が労働者を解雇した場合に限られます。

また、使用者は、重大な企業秩序違反行為に基づいて労働者を解雇した場合にも、解雇補償金支払義務を負いません。

2.契約終了事由

無期労働契約における労働契約の終了は一般的に、「正当な理由」に基づく契約の終了、重大な企業秩序違反行為を理由とする懲戒、合意解約、不可抗力による契約の終了とされています。

3.「正当な理由」に基づく解雇

日本においても、正当な理由がない解雇は権利の濫用として無効とされる(解雇権濫用法理)のと同様、カンボジアにおいても「正当な理由」がない不当解雇については解雇が無効とされますので十分注意が必要です(詳しくは、JBL3月のニュースレター カンボジア版をご参照下さい。)。

日本と同様、「正当な理由」と非常に曖昧な文言が用いられている上、カンボジアではまだこの点に関する仲裁裁定・判決の蓄積が不十分な状況です。

従いまして、カンボジアにおいても日本同様に解雇には十分な配慮・慎重な手続が必要といえます。

その他詳しくは、NNAさんでのカンボジア・ビジネス法17回連載(タイ版:本年3月11日付)で書かせて頂いていますので、詳しくは下記リンクをご参照下さい。

(カンボジア・ビジネス法講座 第17回 PDFファイル)