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ASEANへの進出法務、アジアでの不動産取引の法務サポートの仕事を行っている日本人弁護士が最新情報をお伝えします

最近、労働時間・シフト・残業に関するご質問・ご依頼を頂くことが多くなっています。

理解が難しい原因は、カンボジア・日本各労働法における法定労働時間・残業時間に関する制度間ギャップにあると思われます。

以前も本点については触れましたが、ホットなトピックになりつつありますので、再度ご紹介したいと思います。

1.法定労働時間

カンボジアは所定労働時間の上限(法定労働時間)が1日8時間、週48時間です。

これに対して日本の法定労働時間は1日8時間、週40時間です。

2.残業

(1) 日本

日本では、労働者に残業(時間外・休日労働)を課すためには、三六協定(通称:サブロク協定)を締結し、行政官庁に届け出る必要があります。

その上で、時間外労働の限度は1ヶ月45時間、2か月81時間、3か月120時間、1年360時間とされています(平成10年労働省告示第154号)。

また、日本では、「管理監督者」には労働時間・休憩・休日に関する規定が適用されません(労基法41条)。

*管理監督者:行政解釈上、部長や工場長といった、労働条件の決定等労務管理について経営者と一体的な立場にある人がこれに当たるとされています。

(2) カンボジア

カンボジアにおいては、まず、労働者に対して残業を強制させることができず、使用者の要望に対して、労働者が任意にする場合にのみこれが認められることになっています。

その上で、残業時間の上限は1日2時間まで、1日の総労働時間は10時間までと法定されています。

そして、残業を行うためには、労使間の合意が必要な上、労働省にこれを申請する必要があるとされています。
現に、製造業では2ヶ月に1度この申請を行うよう指導がされており、実際にそのような運用がなされています。他方、他の業種では、それほど厳格な運用がなされているわけではないと認識しています。

また、カンボジアには「管理監督者」に関する適用除外規定がありません。
*カンボジアでは、管理監督者どころか、取締役等役員にも労働法の適用があると解されています。

上記の点については、こちらにも詳しく書いていますので、参照にされて下さい。

というわけで続きは明日!